




夏の恒例行事モノコンも今年で7回目。
昨年は「KAIKO」と題し、一つのテーマから自由に発想を広げるmonogataryらしい形で、トータル約3,000という多くの物語と出会うことができました。
今年のテーマは”I”(アイ)。大手出版社やアーティストとのコラボレーションを含む全4つの賞をご用意しました。monogataryから生まれ、この10月でデビュー5年の節目を迎えるYOASOBIとのコラボもあります。自分自身と向き合ったり、大切な存在へ想いを馳せたり、目に見えないものを形にしたり…4つのお題からイマジネーションを膨らませて、あなたなりの”I”(アイ)を自由に表現してみてください。






ith×yama賞
~One Story.One Ring.~

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大賞
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you are my
作品を読む
ith代表賞
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Pisces
作品を読む
選評コメント
誕生日が同じで双子のような存在、という設定が印象に残りました。
成長し人生のターニングポイントに立ったとき、自分と親しい人が選択する道を比べて羨んだり、憧れたりした経験を思い出しました。分かれ道に立った時の揺れ動く感情は、多くの方が共感できると思います。
結婚指輪のデザインを決める時、選択に迷ってしまうお客様がいらっしゃいますが、選んだ理由、選ばなかった理由をつくり手が整理することで道が拓けることがあります。主人公が自分の気持ちを整理して前向きに進もうとする最後のシーンとithのものづくりへの気持ちがリンクした作品だと感じました。
(ブランド代表 高橋 亜結)
この作品を読んだ時、お題を「映像」というカタチで挑戦してみて良かったと感じたんです。映像には収まらなかった、幼馴染としての2人の歴史、付き合いが長いからこその一歩踏み込んだ接し方、そして幼馴染に留まらない眼差しが印象的でした。きっと現実の世界だったら「あの2人って幼馴染だよね」って分かるような関係性が、セリフの一言一言からあふれている点に心をつかまれます。描かれているのは、あくまで「Pieces」という物語の中のお話ではあるのですが、そのすべてにお題映像との強烈な親和性を感じるんです。ある種、人肌の心地がする、実話に基づいたお話のよう、とでもいいましょうか。その読後感に至高の魅力を感じる一作でした。
2人が高校2年生になって、バラバラのクラスになった時、周りの生徒たちは「あんなに仲が良かったけど、クラスが違くなると少しは距離もできるよな」と感じたと思うのです。この感覚って、学校というクラス替えが当たり前の世界にいると「まぁそんなもんだよな」って馴染んじゃう気もするんですけど、当の本人たちにとっては、意外と大きな出来事ですよね。でも、クラス替えの人選は自分たちでは変えられないし、毎日授業は進んでいくし、ある種、半ば強制的に時間が解決していくわけです。物語の転換点をここに置いて変化をつけていく流れが、後半に向けて深く効いていました。関係性が深い幼馴染だからこそ「クラス替え」という誰にも抗えない物理的な距離の生まれ方は、諒太くんの存在も相まって、独り立ちのような”孤独感”を読み手に感じさせる構図になっていたと感じます。だからこそ、物語の着地点をアトリエで働く「社会人」に置いた時、起点となった学生時代の深堀りに共感度が高くなるのだと思うのです。まさしく、お話の虜になって手が止まらなくなる作品でした。解像度の高さに心酔です!おめでとうございます!
(monogatary.comスタッフ)
ith多様性賞
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Be Happy!
作品を読む
選評コメント
<幸せになれ。……なりやがれ。>「be Happy!」と題された本作の締めくくりの表現にやられました。想えば想うほど、募れば募るほど、憎らしいほどの気持ち。そんな屈折した心情を経験した人は少なくないのではないでしょうか。
私たちithの指輪に刻まれるマリアージュマーク。その解釈を通じて、人生の多様性を表現しつつ、それらを認めて前へと向かおうとする姿勢に爽やかな感動を覚えました。
(ブランド事業部長 𠮷田貞信)
今回、たくさんの応募作を読ませていただいた時に「葵」が主軸になっている作品が多かったんです。やっぱりその方が描きやすいと感じますし、読む側としても、各登場人物たちの感情の変化を受け入れやすいのかもしれません。ただ、そう感じた時に「1番、生っぽい感情を描いた葵はどの作品なんだろう」とも思ったんです。そうして出会った本作。多くの「葵」が描かれた中で、本作は最も「葵」の感情のふり幅が激しく、儚く、無情で、やるせなかったんです。作中にこんなやり取りがあります。
ー
「大学行くの?」
そう尋ねた時、凪は当然のように笑顔で答えた。
「リョウタくんのお嫁さんになるよ」
意味がわからないと思った。
どうしてそんなに安易なのか、なぜ誰かの付属品になるような言い方なのか、なんで進学を決めた私のほうがずれていて低い位置にいるみたいに言うのか。
ー
もしかしたら、乱暴すぎる表現だ、仰る方もいるかもしれないですが、僕はこれが”生の人間”だと感じました。決して、葵の考え方を肯定しているわけではありません。一方で、このやり取りに限らず、誰しも心の中では沸々と煮えたぎるものがあって、それを言語化しない方が良いことって、世の中にたーーーくさんありますよね。だからこそ、言葉を問われている本賞において、この表現は至極リアルな人間の描き方だと感じるんです。執筆されていく中で、登場人物たちに命を吹き込んでいくのって、すごくすごく大変なことだと思うんです。でも、そこに尖ったものがあると、こんなにも読者の心を惹きつけるんだなと、改めて感じる一作でした。
(monogatary.comスタッフ)
ithストーリー賞
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すべての愛を込めて
作品を読む
選評コメント
お客様それぞれのストーリーある指輪作りと通じて、その喜びや感動を味わってほしいというという気持ちが、私たちithのスタッフが最も大切にしている価値観です。
私たちの中には、もともと自分自身がお客様として指輪づくりを体験し、そこからスタッフに転じた人が少なくないのですが、
<ずっと秘めていた想いを、この小さな指輪の中に込めた。今度は私が誰かのために、想いをカタチにしたい。そう思った。>というくだりは、まさにそんなithのスタッフの思いをうまく表現してくれているように思います。
(ithスタッフ)
社会人として過ごす時間は長いものです。均して考えてみたら毎日が平凡に続いていってしまうことってありますよね。もちろん、世の中には自分から動いて、そこに波を生み出していく凄い人たちもたくさんいるけれど、日々は淡々と朝から晩までを重ねていくわけで。その抗えない時間の中で生きていると、時に立ち止まって、過去を振り返ることで、今自分がどの方向に向かって歩いているのかを思い出せる気がするんです。
本作で描かれる情景は、毎日のお仕事の中に訪れた「凪」からの連絡によって動いていきます。高校を卒業してから止まっていたその時間。記憶は巻き戻るように蘇っていくのに、手元でつくっている指輪は未来に向かっていて...。その間にいる「葵」の描写がお見事でした。きっと、この「葵」は、大人として振舞おうと頑張ってるんだな、と感じるんです。大人は誰しも表と裏があって、外から見えるのは表の部分だけなのかもしれない。だからこそ、この物語は「葵」の気持ちを推し量ることに、その魅力があるのだな、と。
そして、結婚式での「映像」という仕掛けには、圧倒されました。伏線が回収されていることのみならず、目に浮かぶその情景自体が、読み手にとってこの上ない「美しさ」があったからです。もしかしたら、凪と葵の関係の集大成とも言えるかもしれませんし、結婚式をきっかけにはじまる2人の新しい関係のスタート地点になるのかもしれません。結婚式って、新郎新婦の笑顔をお祝いすることはもちろんですが、オープニングやプロフィールの映像を見るのも、ひとつの醍醐味だったりしますよね。だからこそ、それを2人の歴史に絡ませて演出している点は、物語のエンディングとしてこの上ないものだったと感じます。登場人物すべての幸せを願いたくなる。そんな物語だからこそ多幸感に包まれるこの読み心地は、格別のものだったとお伝えしたいです。
(monogatary.comスタッフ)
ithリング賞
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幸せのアルページオ
作品を読む
選評コメント
ithの指輪には色々な意味合いを込めた名前がついていますが、本作のタイトルである「アルページオ」もその一つです。音楽用語のアルペジオの通りに、一つ一つは異なる音が少しづつずれつつも重なりあうことで美しいメロディを奏でていくという意味合いを、小説のストーリーへと見事に織り込んで頂きました。お客様の目線からも、スタッフの目線からも伝わりやすい物語だと思いました。
(ithスタッフ)
天真爛漫な「凪」と、シャイな「亮太くん」。この組み合わせって強いですよね。深堀りすればするほどに、隙がないというか。本作の妙は、この組み合わせで生まれた結束感...あえて「壁」とでも言いましょうか。この「壁」を冒頭からうーんと高くスタートさせることで「向葵」が抱く感情の深さに、グッと読者を引き寄せたところだと感じます。つまり、続きが気になるんです。そうして次の章にいくと、場面展開がされていて焦らされる。大半の投稿が1ページの中に収まっている中で、この構成は読む楽しみが増した気がしております。
そして、この高い壁に対して、過度に絶望し過ぎない「向葵」の表現も素敵でした。例えば...
ー
「音符、とかどうかな」
口にしたのは亮太くんだった。
「凪、音楽好きだし。ほら、指輪も"アルページオ"だしさ、2人の指輪に音階ずらして刻む、とか」
「亮太くん、それめっちゃいい」
眩しい顔。裸眼では見られない、フィルターを通さないと明るすぎる顔。
ー
というやり取り。「向葵」の心のうちに、ちょっとしたお茶目さを取り入れているところが良いんです。本筋としてはダウナー方面に行き過ぎてしまいそうな心の奥底だからこそ、このギャップは、素の「向葵」を垣間見えたような気がします。これが、読み手にとってはちょっとうれしい。一歩、物語の世界に踏み込めた気がするんです。心のうちとしては、お祝いの気持ちから来る茶目っ気なのかな?それとも向葵の今の性格としてなのかな?...なんて想像するのもまた一興。読者心をくすぐられる醍醐味があります。
そして、見逃せないのはエンディングの展開でした。にくいぞ、円香!...ってね。指輪って、結婚指輪だけじゃなくて、絆自体を表すものでもあると、改めて教えてくれた気がします。指輪という題材を盛り込んだ今回のコンテストにおいて、実に意義深い指輪のあり方を描いていただいたと感じるんです。それくらい、バシッとはまった感じがあるというか、物語全体の中にしっくりくる構成の美がありました。物語の締め方が素晴らしいと、読後感もさらにこの上ないものになりますね。
(monogatary.comスタッフ)
モノガタリー賞
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約束の指輪はいつまでもあなたとともに
作品を読む
選評コメント
モノガタリーでも数多くの賞を受賞されている粟生深泥さん。いつも感じているのは「なんて読みやすくて、スルスルと入ってくる情景なんだろう…」という気持ちでした。そして今回も、情景描写とセリフの絶妙なバランス感が、読む手をどんどん進めさせてくれるんです。もちろん、ご本人の努力の賜物であることは間違いないと思いつつ、その完成度には頭が上がりません。きっとこの「読みやすさ」に共感をしていただけるユーザーさんは多いのではないでしょうか。もちろん、読みやすさが全てではないけれど、作品に没入していく大きなきっかけになることは明白です。特に、小説投稿サイトは、様々なユーザーさんがいらっしゃる場所だからこそ、この「スルスル入ってくる文章」は本当に大事だと感じています。もしかすると、人はそれを「ラノベっぽい」「読みにくいものが真の小説」と評することもあるでしょう。でも、僕はそんなことは気にしません。この作風こそが多くの人を惹きつけることだってあると思っています。そして、粟生深泥さんが「モノガタリーっぽい作家さん」と言われていることに、スタッフとして誇りに感じています。それは、ユーザーの皆さんに書いていただいた、ひとつひとつ作品が重なり合って、モノガタリーらしさが生まれているからです。ユーザーの皆さんがあってこそ「らしさ」は育まれていきます。今回、粟生深泥さんがその代表として、賞を贈らせていただくこととなりましたが、粟生深泥さんと、時に切磋琢磨し、時に共に歩んでこられた全てのユーザーさんに、敬意を表したいと思います。改めて、いつもモノガタリーと一緒にいてくださって、本当にありがとうございます。
随分と冒頭の言葉が長くなってしまいましたが...この物語のユニークな点は「進路相談」に重点を置いている点だと感じました。冷静に考えてみると、進路って残酷ですよね。大方の場合、いま仲の良い周りの人間関係がほとんどが区切りを迎えることになるのに、「進」という文字の通り、歩みを前に進めるという意味だなんて、少し皮肉じゃないですか。だからこそ、この二人が見ている景色の違いが、グッと効いてくると感じています。
そして作中に、こんなセリフがあります。
ー
「どうして凪の隣にいるのが、私じゃないんだろう」
「私が碧依のこと、応援してるからだよ」
ー
心からの応援でもあり、別々の道を歩む言葉とも受け取れる一節ですよね。ある種、碧依にフラれているわけです。進路という選択を前に、友達という関係を超えて、あいまいなラインをさまよっていた気持ちに区切りが着いた瞬間でもあるのかな、と。これが、凪の気持ちが明確に切り替わっていく「スタートライン」であったとも捉えられます。そこには、”やるせなさ”や”悔しさ”はもちろん、なんだかさっぱりした雰囲気もあって、この碧依のキャラクター、気持ちが良いなと感じたんです。ずっと一緒にいることだけがすべてじゃない。別々の道を歩んで、また新たに築ける関係性もあるよな、と思わせてくれるエンディングへの構成は、読んでいて共感度の高い展開でした。
(monogatary.comスタッフ)
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対象お題
概要
世界にたったひとつのオンリーワンの指輪づくりを通じて、多くのカップルの心を結んできたオーダーメイドのジュエリー工房「ith(イズ)」。10周年を迎える2024年、SNSを中心にネット上で注目を集め続ける新世代シンガー「yama」さんとのコラボレーションプロジェクトが始動します。このプロジェクトのテーマは、一つひとつの指輪に込められたかけがえのない物語。"出会いの喜び"や"共に歩む決意"、それぞれの人生の道のりを経てたどり着いた”指輪”に人は何を託すのでしょうか。そして、結婚も恋愛もひとつとして同じカタチのない多様性の時代のなかで、人はその”指輪”に何を想うのでしょうか。
そんな「One Story. One Ring.」な物語をmonogatary.comの作家の皆さんから募集します。大賞作はyamaさんの新しい楽曲の原作に。小説×音楽で届ける新しい形の「オリジナルウェディングソング」が制作されます。今回のお題となるのは、ith(イズ)が「One Story.One Ring.」への思いを込めたブランドムービーです。目で、耳で、そして心でお題を感じて、あなたが思い描く「One Story.One Ring.」の物語を紡いでみてください。皆さんからの投稿を心からお待ちしています。文字数
5000文字以下
ith
について
ith(イズ)は、“One Story. One Ring. /たくさんよりもひとつをたいせつに”がコンセプトのオーダーメイドのジュエリー工房です。
2014年にith代表である高橋亜結が立ち上げた吉祥寺の小さなアトリエから始まり、2024年現在では国内11カ所とシンガポール・台湾2カ所にアトリエを展開しています。指輪づくりにプロであるつくり手がお客様それぞれのストーリーやご要望を伺いながらオンリーワンのデザインを一緒に紡ぎあげ、国内の優れた職人の手で高品質の洗練されたジュエリーとしてひとつひとつ大切にお仕立てします。
世界にひとつのストーリーや想いを表現したジュエリーが、お二人と共に美しい時を重ねていきますように。
ithのWebサイトでは、お客様とアトリエのつくり手たちが積み重ねてきた指輪作りの事例やエピソードを紹介しています。創作の参考としてお目通しください。
こちらから ▶ https://www.ateliermarriage.com/column
■公式SNS
HP:https://www.ateliermarriage.com/
Instagram:https://www.instagram.com/ith_marriage/PROFILE
yama
SNSを中心にネット上で注目を集める新世代シンガー「yama」。2018年よりYouTubeをベースにカバー曲を公開し活動をスタート。2020年4月に自身初のオリジナルとしてリリースされたボカロPくじらが手掛けた楽曲「春を告げる」はSNSをきっかけに爆速的にリスナーの心を掴み、あらゆるヒットチャートでトップにランクイン。また2022年に放送されたTVアニメ『SPY×FAMILY』の第2期EDテーマである「色彩」ではボカロPくじらと約3年ぶりのタッグを組んだ。2023年4月から放送のTVアニメ「機動戦士ガンダム 水星の魔女」Season2ではOPテーマを担当するなど、現在の音楽シーンを象徴するアーティストの1人。
■公式SNS
HP:https://www.sonymusic.co.jp/artist/yama/
X(旧:Twitter):https://x.com/douhwe
X(旧:Twitter)※スタッフアカウントhttps://x.com/yama_official0
Instagram:https://www.instagram.com/ya.ma_00/
TikTok:https://www.tiktok.com/@yama_official_tiktok
YouTube:https://youtube.com/@yama6687COMMENT
ith代表 高橋亜結
ithはひとつひとつの指輪に込める意味やストーリーを大切にしています。
思い出の景色や縁のあるモチーフ、これから結婚してどんな家族を築きたいかなど、目に見えるデザインだけでなく、身に着ける人の想いは人それぞれ。私たちは丁寧にその気持ちを汲み取りながら、かたちにしてきました。
このプロジェクトに応募する方たちに、ithのブランドムービーがどのように解釈され小説になるのか、そしてyamaさんの音楽になるのか。想いが繋がり素晴らしい作品が生まれることを楽しみにしています。
yama
この度、ithさんとご一緒することになり嬉しく思います。
ithさんからお話をいただく前の出来事で自分ごとの話になりますが、昨年亡くなった祖父の形見を指輪に加工してもらい、彼の面影と想い出を指輪を通じて肌で感じたのを思い出しました。
ithさんの元を訪れるお客さん一人一人にもそれぞれの想いと物語があるのでは無いでしょうか。満を持して結ばれる二人もいれば、自分のように故人を想う人、
障壁にぶつかりながらそれでも共に生きることを覚悟した人など、本当にそれぞれのストーリーがあると思います。
自分が音楽で表現したいことの一つに、一人として同じではなく一人一人が唯一無二であるという考えがあります。
ithさんのブランドムービーから連想される物語を型に嵌らずに、皆さんが感じるまま自由に創作して頂きたいです。
monogatary.comの作家の皆さんからの投稿をお待ちしています。
大賞作品
大賞作品を原作としてyamaによって楽曲化
結果発表日
2024年11月(予定)

新文芸誌「GOAT」刊行記念企画
GOAT×monogatary.com文学賞
小説を、心の栄養に。

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対象お題
概要
小学館から今秋刊行される新文芸誌「GOAT」とmonogatary.comのコラボ賞です。
「GOAT」誌名の由来でもあるヤギは手紙を食べてしまうとも伝えられることにちなみ、お題は「手紙の味」。
嬉しいお便り、悲しい報せ、実際に食べはしなくとも、人が紡ぐさまざまな手紙には、きっとそれぞれの味わいがあることでしょう。
大賞受賞作は、編集者とのやりとりを経て、「GOAT」の記念すべき第一号に掲載されます!
お題から自由に発想を膨らませ、手紙やそれをとり巻く人々の物語をお寄せください。
選考委員長には作家・加藤シゲアキさんをむかえる本賞、選考委員一同「熟読玩味」の精神でお待ちしています。
※手紙を食べる行為は危険なのでおやめください。文字数
2000~4000文字
GOAT
について「自分たちが心の底から読みたい、みんなに読んでほしい小説を集めた文芸誌を作りたい」という編集部の思いから誕生した、紙で刊行する小学館の新文芸誌。誌名の由来は、紙を愛してやまない《ヤギ》と、《Greatest Of All Time(=史上最高の)》の頭文字から。「かつてない紙の文芸誌を作りたい」という気持ちを込めています。エンタメや純文学といった線引きは一切なしで、もっと小説をカジュアルに。心の栄養になるような、ただ純粋に「面白い!」と思ってもらえるような小説をお届けしていきます。第1号は2024年11月27日に発売予定です。
GOAT公式HP:https://dps.shogakukan.co.jp/goat
GOAT公式X:https://x.com/goat_shogakukan
選考委員
<選考委員長>
加藤シゲアキ
1987年生まれ、大阪府出身。青山学院大学法学部卒業。「NEWS」のメンバーとして活躍しながら、2012年『ピンクとグレー』で作家デビュー。21年『オルタネート』で第164回直木賞候補、第42回吉川英治文学新人賞受賞、第8回高校生直木賞受賞。24年『なれのはて』で第170回直木賞候補。他の著書に『閃光スクランブル』『Burn.−バーン−』『傘をもたない蟻たちは』『チュベローズで待ってるAGE22・AGE32』(全2冊)、エッセイ集などに『できることならスティードで』『1と0と加藤シゲアキ』がある。
■公式SNS
Instagram:https://www.instagram.com/shigeaki_kato_whoiam/
<選考委員>
三橋薫 (小学館「GOAT」編集長)
2006年小学館に入社。『謎解きはディナーのあとで』をはじめとする多数の文芸書を編集。21年12月より文芸誌「STORY BOX」編集長を務める。
屋代陽平(ソニー・ミュージックエンタテインメント「monogatary.com」プロデューサー)
2012年ソニーミュージックグループに入社。17年ストーリエンタテインメントプラットフォーム「monogatary.com」の立ち上げ。19年 YOASOBIプロジェクトを発足。選考委員
コメント加藤シゲアキ
言葉は自由です。なんにでもなれて、どこにでもいけて、あんなことやこんなことまで。
だけどその言葉はあなたのもの。
唯一無二のオリジナリティ溢れる作品が読めることを期待しています。
三橋薫 (小学館「GOAT」編集長)
わたしたちが純粋に「面白い!」と思う物語を届けたいという思いから、新文芸誌『GOAT』を刊行することになりました。小説は自由で、無限の可能性を秘めています。常識にとらわれず、自分の感性を信じて書いてください。かつてない(Greatest Of All Time)物語に出会えることを楽しみにしています!
屋代陽平(ソニー・ミュージックエンタテインメント「monogatary.com」プロデューサー)
甘い言葉、苦い思い出、甘酸っぱい青春…などなど、食べ物以外でも味を用いた表現は多様です。紙を食べてしまうというヤギの名を冠した文芸誌『GOAT』の刊行に寄せて、monogataryらしい自由な発想でお題を設定させていただきました。手紙の数だけあるその味を、あなたの言葉で紡いでみてください。舌なめずりしてお待ちしています。応募規定
・応募原稿は未発表小説に限り、同人雑誌、インターネット上に既に発表したもの、自費出版したもの、他の新人賞への応募作品は対象外とします。
・賞の特性上、他版元から作家デビューされている方は本賞の選考対象となりませんのでご了承ください。
具体例:
■出版社より単著にて作品を出版したことがある場合(自費出版を除く) →デビュー済みとなり、応募不可。
■過去に別名義で作家デビューし、作品を出版をしている場合 →デビュー済みとなり、応募不可。
■単著ではなく、アンソロジーや短編集などでの出版をしたことがある場合 →応募可。
■小説コンテストなどで入賞したが、作品が出版されていない場合 →応募可。
・お一人で複数作品のご応募も可能です。
・作品投稿後の修正は可能ですが、修正前に既に該当作品の選考が終了している場合もございます。
・選考の結果、やむを得ず該当作なしとさせていただく場合がございます。
・受賞作の出版権(紙・電子書籍)は小学館に帰属します。出版の際は、規定の著作権使用料が著作権者に別途支払われます。文庫化の優先権は小学館が有します。また二次的使用(映像化など)に関する権利管理および許諾契約は小学館及びソニー・ミュージックエンタテインメントが委託されたものとします。
・本応募規定は、モノコン2024「注意事項」より優先されるものとします。大賞作品
大賞賞金30万円および新文芸誌「GOAT」第一号に受賞作全文掲載
結果発表日
新文芸誌「GOAT」第一号(2024年11月27日発売予定)誌面にて発表予定


空想アニメ賞vol.2

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大賞
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YELL!
作品を読む
選評コメント
粟生深泥さんの「YELL!」は、書き出しを読んでビビッときた作品でした。
私は高校時代部活動に所属しておらず、下校時、部活動に勤しむ学生の姿を見てどこか眩しく感じられました。
あの時経験しなかったものを取り戻せるような、輝いている時間を感じられる所が好きです!
(ミュージックレイン3期生 相川奏多)
フォーカスがあたることが少ない応援団、応援の声って意味あるのかな?なんて、考えたことがあります。
でも、応援される側になったとき、応援の力をすごく感じて、そんな感覚を、キャラクターの力強さと共に体感出来る作品でした。
キャラクターが生き生きとしていて、とても青春を感じて、今回のテーマにぴったりな作品で読んでいてパワーを貰えました。
(ミュージックレイン3期生 橘美來)
部活!青春!爽やか!な募集テーマにピッタリの作品で読後に清涼感を感じられました。丁寧な情景描写のおかげでイメージがしやすかったですし、登場人物全員のバックボーンもしっかり描かれていたのでリアリティがあり、序盤からストーリーに引き込まれました。この先も彼女たちのものがたりは続いていくんだなぁ、と思わせる魅力いっぱいの作品に声を吹き込める事に今からワクワクしています!
(ミュージックレイン3期生 夏目ここな)
私も学生の頃に憧れた応援団。私の入った学校には応援団がなく入団したいという夢は叶いませんでしたが、この物語を通してあのころの私がなし得なかったこと味わえた気がして、2度目の青春を彼女達にもらいました!
(ミュージックレイン3期生 日向もか)
頑張る人へ大きな力を届けるために奮闘する眩しいほどの青春。応援団の声援はお題であった「青藍の空に叫ぶ」にとてもピッタリだなと思いました。キャラクターの成長過程やテーマもわかりやすく、きっと多くの人に共感してもらえると思います。私自身が応援されているような、そんな優しくも力強い物語でした。
(ミュージックレイン3期生 宮沢小春)
全力で応援に打ち込む姿と普段の女子高生らしい姿とのギャップ。そして、立場や性格も違う少女5人がそれぞれの想いを抱えながらも支え合い、やがてひとつになっていくその成長ストーリーは、冒頭からぐっと引き込まれ、まさに今回のテーマである「空想」を膨らませたくなる魅力が散りばめられていました。物語の世界から飛び出した彼女たちに会えるのが楽しみです。
(monogatary.comスタッフ)特別賞
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何者でもない私たちは、青藍の空に何を叫ぶのか
作品を読む
選評コメント
水族館という舞台で繰り広げられる人間ドラマ。キャラクターたちの心の機微を"みずみずしく"描いており、セリフも個性があり、アイディアの冴え渡った一作でした。
(monogatary.comスタッフ)特別賞
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青藍の空に叫ぶー希望を乗せたテイクオフー
作品を読む
選評コメント
誰しもが描く夢、空への情熱という切り口を持たせた冒頭の一文から掴まれました。そして、その熱い情熱とドラマに心を打たれる夏のキラーコンテンツのひとつがアニメのように描かれ、空中で必死にペダルを漕ぐように夢中で読み進めてしまいました。
(monogatary.comスタッフ) -
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対象お題
概要
昨年の「モノコン2023」にて開催された「空想アニメプロジェクト」の第2弾が始動!
"もしもアニメになったら…"という空想から創り上げていく企画です。
5人の少女が出会い、紡いでゆく青春ストーリーを綴ってください。
大賞作品は、同作から空想したテーマソングとオーディオドラマを制作。テーマソングの歌唱及びオーディオドラマのキャラクター声優を担当するのは、メディアミックスプロジェクト「IDOLY PRIDE」に登場するアイドルグループ「月のテンペスト」を演じる、ミュージックレイン3期生の相川奏多、橘美來、夏目ここな、日向もか、宮沢小春の5名。
また、人気イラストレーター・popman3580によるキャラクターデザインや描きおろしイラストのほか、様々なコンテンツを収録した豪華音声付きフォトブックの制作・発売を予定しています。
文字数
制限なし
選考委員
ミュージックレイン3期生 (相川奏多、橘美來、夏目ここな、日向もか、宮沢小春)/ monogatary.comスタッフ
PROFILE
ミュージックレイン3期生(声優)
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相川 奏多(アイカワ カナタ)
生年月日 : 2004年10月20日
主な出演作品
<アニメ>
「IDOLY PRIDE」(成宮すず)
「ワンダーエッグ・プライオリティ」(大戸アイ)
「もしメタ~もし女子高生がメタバースで巫女になったら~」(かなた)
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橘 美來(タチバナ ミライ)
生年月日 : 2000年3月5日
主な出演作品
<アニメ>
「IDOLY PRIDE」(長瀬琴乃)
「魔王様、リトライ!R」(オルガン)
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夏目 ここな(ナツメ ココナ)
生年月日 : 2003年9月6日
主な出演作品
<アニメ>
「IDOLY PRIDE」(伊吹渚)
「阿波連さんははかれない」
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日向 もか(ヒナタ モカ)
生年月日 : 2001年5月17日
主な出演作品
<アニメ>
「IDOLY PRIDE」(早坂芽衣)
「ワールドダイスター」
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宮沢 小春(ミヤザワ コハル)
生年月日 : 1999年3月29日
主な出演作品
<アニメ>
「IDOLY PRIDE」(白石沙季)
「冒険者になりたいと都に出て行った娘がSランクになってた」
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popman3580
フリーランスイラストレーター。書籍イラスト、キャラクターデザイン、ファションブランドコラボなど幅広く活動。
2020年5月よりお笑い芸人・粗品が自身のYouTubeチャンネルで公開しているオリジナル楽曲動画のイラストを担当。
2022年「Sound ART Project FLUcTUS」にて音楽家・音楽プロデューサー 小室哲哉氏とコラボレーション。
2024年TVアニメ「夜のクラゲは泳げない」キャラクター原案など。
X:https://x.com/popman3580
Instagram:https://www.instagram.com/popman3580/COMMENT
ミュージックレイン3期生(声優)
■相川奏多
みなさん、こんにちは!相川奏多です。
この度monogatary.comにて、空想アニメシリーズ第2弾に参加させていただくことになりました。
みなさんの素敵な物語に声をのせることが出来るのを楽しみにしています!
■橘美來
また空想アニメシリーズに携わることが出来て光栄です。
なんと今回は歌に加え、お芝居でも!
みなさんが紡ぐモノガタリを楽しみにお待ちしております。
私自身もワクワクをお届けできるよう、精一杯頑張ります!
■夏目ここな
また関わらせていただけることになりすごく嬉しいです!
物語の美しさだったりを全員で創り上げてる姿にとても感動しました。私もその一員として素敵な作品を今回も一緒につくれたらなと思います!
■日向もか
モノコン2023に続き、monogatary.comの企画に携わることが出来てとても嬉しいです。5人のキャラクター達のそれぞれの物語、皆様の素敵な作品を楽しみにお待ちしております!
■宮沢小春
これまで自分が導かれ、支えられてきた物語と音楽の生まれる企画に、微力ながら再び携わらせていただけること、とても光栄に思います。この「空想アニメ賞」が皆さんの世界が広がるきっかけになりますように。
popman3580(イラストレーター)
「空想アニメプロジェクト」に参加させていただきありがとうございます。
空想の中で生まれるストーリー、キャラクター、声。
誰もが一度は頭の中で思い描いた空想の物語を、空想のまま形にするプロジェクト。
夢があってとても素敵です!大賞作品
オープニングテーマ楽曲化(Vo:ミュージックレイン3期生)
オーディオドラマ化(CV:ミュージックレイン3期生)
キャラクター設定資料ほか描きおろしイラスト化(illustration:popman3580)
→上記ほか関連コンテンツを収録した、楽曲・ドラマCD付きフォトブック(書籍版/電子版)として発売予定結果発表日
2024年11月(予定)


YOASOBI
オフィシャルレポーター賞

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大賞
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好きなものを好きって言えるって素晴らしいことだよね
作品を読む
選評コメント
メイドカフェにハマる、ということ自体は今では珍しくないかもしれませんが、それによって生まれた感情や生活の変化、推す対象へのまなざしが優しく誠実に紡がれていて、心が暖かくなりました。YOASOBIのライブも信頼関係で結ばれたチームの総力戦。いちこさんの目にどう映ったのか、ぜひレポートで確かめてください。
(monogatary.comスタッフ)大賞
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「読点考」より
作品を読む
選評コメント
文章における句読点のあり方について5年どころか11年間研究(?)を続けているという時点で度肝を抜かれましたが、YOASOBIの歌詞をそういう観点で見たことがなかったので、これは独自の観点でレポートを書いていただけそうと思い選出させていただきました。本人も意識していない部分を引き出していただけたのか、レポート必読です。
(monogatary.comスタッフ) -
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対象お題
概要
monogatary.comから生まれ、いまや日本を代表するアーティストの1つとなった"小説を音楽にするユニット"YOASOBIは、今年の10月1日で結成5周年をむかえます。生まれ故郷からそれをお祝いするとともに、5周年の節目で開催される初のドーム公演をさらに盛り上げるべくこの賞を設けました。お題は「5年以上愛しているもの」。対象はなんでも構いません。あなたが愛してやまない何かへの思いやその魅力を、読んだ誰かに伝えられる文章を募集します。YOASOBIについてでも嬉しいですが、せっかくならさまざまな「愛」に触れて、そこに滲み出る書き手の皆さまの人間味を感じたいなと思っています。
大賞受賞者はYOASOBIドーム公演の「オフィシャルレポーター」としてライブにご招待、当日お書きいただくライブレポートをYOASOBI公式SNS等で広く公開いたします。ライブ本編はもちろん、初のドーム公演に臨むYOASOBIやバンドメンバーの舞台裏まで覗けるまたとないチャンス。あなたの愛をさらに深めるきっかけにしていただけたら嬉しいです。ぜひ気軽にご参加ください。文字数
制限なし
大賞作品
・大賞受賞者はYOASOBIドーム公演の「オフィシャルレポーター」としてライブにご招待。
・YOASOBIのライブ当日、受賞者にライブレポートを書いていただき、YOASOBI公式SNS等で広く公開。注意事項
大賞受賞者(最大4名)をご招待するライブは以下日程にておこなわれます。(お一人さまいずれか1日、対象者の希望を踏まえて決定)
①10月26日(土)京セラドーム
②10月27日(日)京セラドーム
③11月9日(土)東京ドーム
④11月10日(日)東京ドーム
ライブのチケットは必要ございませんが、会場現地への交通費・宿泊費等はご自身でご負担いただきます。本コンテストはライブレポーターを選出させていただくためのものであるという性質上、大賞受賞決定後、受賞者が該当の公演にご参加できなくなった場合は、別の方を繰り上げ選出させていただく可能性もございます。その旨予めご承知おきください。結果発表日
2024年9月予定
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応募可能期間2024年8月1日(木)12:00 ~
2024年8月31日(土)14:59 -
最終結果発表各賞によって結果発表日が異なります。
詳細は各賞の内容をご確認ください。
プロ・アマチュア問わず、monogatary.comに会員登録している全ての方がご応募可能です。
各賞ごとの「お題」に対して「物語」を投稿することで、応募とみなします。
「物語」はオリジナル作品に限らせていただきます。
「物語」は応募時に完結している必要はありませんが、「優秀作品」(下述)以降の審査時には完結している作品を優先して審査いたします。
締切後に作品の編集をおこなった場合においても、締切時点での内容にて審査を実施いたします。
「物語」は、「お題」に沿って日本語で書かれたものであればジャンルやフォーマットの制限はありません。
サイトの仕様上ひとつの物語の文字数上限は15万文字ですが、それを越えて二つの物語にまたがる場合、物語の説明文等にその旨を明記していただけますようよろしくお願いいたします。
お一人で複数作品のご応募も可能です。
注意事項
本コンテストの審査期間中に、応募作品が本コンテスト以外のコンテスト等で受賞した場合には、選考対象外となります。
選考に関するお問い合わせにはお答えできません。
コンテスト終了後に選考対象外となる事実が認められた場合、受賞が取り消される場合があります。
本応募要項に違反した結果、応募者が当社又はその他の第三者に損害を与えた場合、当該損害を賠償していただくことがあります。
作品化の際に、一部の設定や展開について原作から変更する可能性がございますので、あらかじめご了承ください。
応募作品が受賞した場合には、受賞者は、当社の書面による事前承諾なくして、受賞作品を自ら利用し、又は当社以外の第三者に利用させることはできないものとします。
本コンテスト結果発表前に、当社以外の第三者より応募作品の利用の打診があった場合には、必ずお問い合わせフォームよりmonogatary.com運営スタッフまでご連絡ください。
大賞、および優秀賞作品は、受賞から1年間はmonogatary.com上に掲載するものとし、著者本人による削除対象から除外させていただきます。
受賞者は、応募作品が受賞した場合、当社との間で受賞作品の利用に関する契約を締結することにつき、予め承諾するものとします。
受賞作品の利用が行われた場合には、当社から受賞者に対し、当該利用の対価として、弊社所定の金員が支払われることがあります。
受賞者は作品化利用に際して、別途ご案内する「monogatary.com 作品利用に関するご承諾フォーム」を入力することにつき、予め承諾するものとします。
各賞にご応募いただいた作品を総合的に判断した結果、該当作品なしとさせていただく場合もございます。予めご了承ください。
選評コメント
お客さんとのやりとりや指輪作りを通して、自分自身と向き合い、浄化されていく様子が丁寧に描かれていて清々しい読後感でした。最後も凪に連絡を取ろうと決意するところで終わっていて、敢えてその先を描ききらないところも、読者が余白を感じられて良いなと思いました。
物語の中でお客さんも葵も「自分を許す」ということが共通していて、自分も音楽活動をしていて重なるテーマでもあったので、精神的な成長に共感しながら読みました。
「今でも器は小さいし、善人でもない。
でも誰かの幸せを願えるとき、人生は悪くないなと思う。」
本当にそうだなと思います。
誰しもが不完全で、完璧な人間はいませんが、時間が経ってでも自己を許し、あるいは誰かを許し、幸せを願えるということは素敵なことです。
自分も音楽を通して人を癒したいと願っているので、もの作りへの向き合い方もあらためて考えさせられる作品でした。
(yama)
高校生の時と職人になってからのシーンの両方に、マリアージュマークが登場していることで作品とithというブランドが自然に融合しているように感じました。
高校生の時に何気なく描いた記号を、主人公が感情や景色と共に大切に記憶に留めていたこと。その記号を職人として良い指輪を作りたい一心でお客様に提案するという展開から、真剣に向き合う強い気持ちを汲み取ることができました。
ithのつくり手として、この主人公のように真摯な気持ちでこれからもお客様と指輪に向き合っていきたいです。
(ithブランド代表 高橋 亜結)
永遠の愛をカタチに。
結婚指輪業界で働く私たちはこんな謳い文句にまみれながら、<愛のカタチ>たる指輪作りに取り組んでいます。
たくさんのお客様の<愛のカタチ>づくりに携わるなかで、時々ふと思うことがあります。
このカタチに辿り着くまでの道のり、そのなかで感じた思いや感情。そこには愛や喜びだけではなく、もっと多様で、複雑で、言葉では表現しきれない気持ちも織り込まれているのではないか。むしろだからこそ、この<愛のカタチ>にはより深い真実がもたらされるのではないか、と。
<自分には、指輪なんて関係ないと思ってたんです。むしろ、当たり前をひけらかされているようで、嫌いだった。>
<誰かの幸せに傷つく自分でいたくなかった。自分が人を愛する気持ちも、もっと当たり前に表現してもいいんじゃないかと思えてきたんです。>
<あの日の海で私が凪に感じた行き場のない感情を今ここで彼に許された気がした。>
本作で描かれた言葉や心情から、愛のカタチに織り込まれた、言葉にしきれない心の動き、多様な愛の奥行きのようなものを感じ取るとともに、お客様の言葉から向葵自身が<許された気がした>ように、お客様のための指輪づくりにこそ自分たちの存在意義を見出そうとする、私たちithのメンタリティにも似た感情も表現してくれている気がします。「確かなのに、目に見えなくて。頼りなくて、それでいて揺るがない。そんな様々な愛をつなぐその指輪」。カタチがあるものだからこそ、カタチのない何かを宿すことができるはず、という私たちの信念を表現してくれて大変嬉しく思います。
(ithブランド事業部長 𠮷田貞信)
冒頭、描かれているのは「記憶の欠片」。ひとつひとつが欠かすことのできない大切な時間だったと伝わってくる言葉たちに、いきなり惹き込まれました。斜め上からの視点を持つ凪と、ツッコミを入れながらも彼女のすべてを受け入れていく向葵。二人の関係性は、テンションや勢いに任せなくても、会話に咲いた一輪の花だけで、お互いを満たしてくれる安心感があります。落ち着いたそのトーンは、お題映像のそれと大いに一致しているのみならず、描かれる向葵の心のうちは、お見事でした。周りから見たら大人っぽいと言われそうな向葵、けれど、実は一番人間っぽさがあるのも向葵。その二面性は、葛藤となり、悩みとなり、直接言葉にはできないけれど、確かな恋があって複雑。相対する凪の天真爛漫さとの間に、見事な読み応えを築いていたように感じます。
そして、今回のお題は、この多様性の時代の中で、恋愛も結婚のひとつとして同じカタチがないからこそ「指輪」が果たす役割を問うものでもありました。本作は、その中でひとつの答えを導いている気がしていて、作中の...
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「大人になって変わったのかな。誰かの幸せに傷つく自分でいたくなかった。自分が人を愛する気持ちも、もっと当たり前に表現してもいいんじゃないかと思えてきたんです。少数派であることはエンタメじゃない。愛の形なんてもっと自由でもいいって、割り切れて。自分が許せた。きっとこれは相手のおかげでもあるんでしょうけど」
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というセリフが、向葵の肩にそっと手を添えるものだったんじゃないだろうかと感じたんです。もしかしたら、この「相手」という言葉は、もちろん恋人でもいいし、友人でもいいし、1回だけ会った人かもしれないし...誰でもその「きっかけ」になり得ると考えてみると、この時代に生きる僕らにとって、ひとつの救いになる言葉だと捉えました。こうして、夏夜米子さんの言葉によって、心を動かされた我々がいるように、「誰か」によって自分が自分らしくいることができるって、とっても素敵ですよね。お題が「映像」という試みや、ウェディングソングをつくるという取り組み、そして現代の時代性を捉えるという難しい内容であったにも関わらず、見事にそれに応えていただいた本作に、「大賞」という形で盛大な拍手を贈りたいと思います。
(monogaary.comスタッフ)